スマートニュース、メディアリテラシーの授業実践例を新たに5本公開 小中高・大学向けに合計10本を無償ダウンロード提供

スマートニュース株式会社(東京都渋谷区、代表取締役:鈴木健)のシンクタンクである「スマートニュース メディア研究所」は、全国の小中高や大学の先生方に向け、メディアリテラシー教育の授業実践例を、当社研究所のウェブサイトで新たに5本公開しました。授業実践例は、現在公開している5本と合わせ合計10本を無償でダウンロードいただけます。

▼メディアリテラシー教育 授業実践例
https://smartnews-smri.com/literacy_category/practice/

当社研究所は、メディアリテラシー教育を研究テーマの一つとしており、子供たちが主体的に考える力を養うことを支援したいと考えています。全国の先生方が学校の授業で使えたり、参考資料にしていただけたりすることを目指し、2021年7月にワークシートなども含む授業実践例を5本公開しました(※1)。全国の学校の先生方を中心に、これまでに800件以上ダウンロードいただきました。

今回新たに公開する授業実践例の概要は以下の通りです。

●国際的な教育プログラムの手法を採用したものや、海外大学の授業実践例も公開

1. 大人たちと本への興味を同時にかきたてる図書館での出前講座 〜 学校を社会に開かれたものに 〜
実施学年:中学1年~3年
対象(実施可能)学年:小学生、中学生、高校生
実践者名:足立区立第一中学校 穐田剛(あきたたけし)教諭

<授業の趣旨>
学校の図書館に、様々な分野で活躍している社会人を招き、講演とともに、おすすめの本を紹介していただきます。図書館で実施したことによって、生徒たちが本や多様なメディアに触れる機会も増え、結果的に、本の貸し出し数も目に見えて増えました。学校と社会をつなぐ実践です。

<教材画像(抜粋)>

2. 国語科教科書を批判的( クリティカル) に読む ―国際バカロレア教育の手法を使って―
対象(実施可能)学年:高校1年~3年
科目:国語
総合的探究の授業でも実施可能 ※TOK方法論の部分を使って
実践者名:灘中学校・灘高等学校 井上志音教諭

<授業の趣旨>
国語教科書に掲載されている評論文と、同じ著者の別の評論文を取り上げ、書かれている内容の比較を行いつつ、著者の主張の妥当性について考えます。また、イデオロギーについて、議論の前提も含めて問い直すことで、クリティカル・シンキング(批判的思考)の力を身に付けていきます。メディアリテラシー教育で重視されている点と共通する部分が多い国際バカロレア(IB)教育の手法を取り入れた授業です。

3. 報道における情報元の評価 A NICE source analysis ―白雪姫暗殺未遂事件―
対象(実施可能)学年:高校生、大学生
科目:国語、公民など
実践者名:香港大学 ジャーナリズム・メディア研究センター 鍛治本正人氏

<授業の趣旨>
グリム童話の中に入っていることでも知られる「白雪姫」。彼女の継母である女王(魔女)は、魔法の鏡に「一番美しい女性は?」と聞き、女王ではなく白雪姫と鏡が答えるたびに、白雪姫を何度も殺そうとします。この童話を題材に、「白雪姫暗殺未遂事件」がニュースとして報道されるという設定を作ります。白雪姫や鏡といった童話に出てくるキャラクターだけでなく、捜査関係者や専門家などの情報の出所を作り、生徒たちがロールプレイを行いながら、情報元によってニュースの印象がどのように変わるかなどを体感する授業です。英語と日本語が併記された資料がダウンロードできます。

4. 「教科書」もメディア? 理想の教科書を考える
対象(実施可能)学年:中学生・高校生
科目:社会、地歴公民
実践者名:国際基督教大学高等学校 鵜飼力也教諭

<授業の趣旨>
物理学者のアインシュタインが、アメリカの教科書と日本の教科書でどういう取り上げられ方をしているかをきっかけに「教科書は、国によって内容がが違う」ことを意識してもらいます。そこから、日本の教科書がどう作られているか、理想の教科書とはどういうものなのかと考えていきます。生徒たちが暗記に使うことも多い教科書は、国や時代によって大きく変わりうる、一つの「メディア」であることを意識してもらう授業です。

5. 〜擬似SNS でシェアしてみよう!〜 ソーシャルメディアでの情報受発信を考えるオンラインゲーム教材
対象(実施可能)学年:高校生、大学生
科目:国語、情報、総合的な探求の時間
実践者名:スマートニュース メディア研究所 宮崎洋子、長澤江美

<授業の趣旨>
SMRIが開発した「擬似SNS」シミュレーション・ゲームを利用します。生徒たちは、ゲームの中で流れてくる個々の投稿(虚偽情報を含む)について、フェイクニュースかどうかを見分けながら、投稿をシェアするか否かを判断し、フォロワーを増やすことを目指します。日ごろの情報の受け取り方や発信の仕方について振り返りながら、情報をシェアする判断基準やデジタルメディアの特性について考えてもらいます。

<オンラインゲーム教材「To Share or Not to Share」紹介ページ>
https://media-literacy.smartnews-smri.com/

今回公開した授業実践例の一つである、SNSシェアを疑似体験するゲーム教材を、実際の授業で採用いただいた青翔開智中学校・高等学校(鳥取市)の高校の先生は、「SNSを使うことで得られる情報もあり、上手に付き合っていくのが大事。このゲーム教材を使って、継続的にSNSの授業をしてきたい」と話しています。

(※1)小中高・大学向けのメディアリテラシー授業実践例を公開(2021年7月27日)
https://about.smartnews.com/ja/2021/07/27/20210727/


参考:授業実践例も10本掲載、メディアリテラシーの入門書を本日刊行

当社研究所が公開している授業実践例の概要も収録された新刊書籍、「メディアリテラシー 吟味思考(クリティカルシンキング)を育む 」(時事通信社)が、本日12月22日に刊行されます。同書は、当社研究所の山脇岳志が編者の1人を務め、アカデミアとジャーナリズムの専門家の方々が執筆した論考やインタビューをまとめています。理論と実践にまたがるメディアリテラシーの入門書として、学校の先生方や、学生・社会人の方々に幅広くお読みいただくことを想定しています。
出版社:時事通信社
発売日:2021年12月22日
価格:2750円(税込)
単行本(ソフトカバー):396ページ

スマートニュース株式会社について http://about.smartnews.com/
スマートニュース株式会社は、「世界中の良質な情報を必要な人に送り届ける」をミッションに掲げ、2012年6月15日に設立されました。日本と米国でニュースアプリ「SmartNews(スマートニュース)」を運用しています。世界中の膨大な情報を日夜解析し続けるアルゴリズムと、スマートデバイスに最適化された快適なインターフェースを通じて、世界中から集めた良質な情報を一人でも多くの人々に届けていきたいと考えています。

スマートニュースメディア研究所について https://smartnews-smri.com/about/
スマートニュース メディア研究所は、ニュースやメディアが本当に社会や人々の役にたつためにはどうあるべきかを考えるシンクタンクです。中長期的な視点からの研究、提言、そして課題解決の実現を目指して、2018年8月に設立しました。